| 1998年3月4日水曜日 桐生タイムス
「織塾とオリジン」
創作上房は桐生市が借り上げた民家やノコギリ屋根工場を作家らに提供、創造や研究、交流の場として活用してもらうもので、現在二カ所設けられている。
梅田町一丁目の桐生織塾(武藤和夫塾長)は、高度な織物技術者集団が手織りの技を磨いており、また武藤塾長の収集した縞(しま)見本や、ひのコレクシヨンなどが資料館的役割を果たし、研究者や愛好者の情報交流の場ともなっている。今回は「桐生と銘仙展」と題し、ぼくし銘仙、半併用・併用銘仙など型紙捺染(なっせん)による絣(かすり)銘仙約二百点を展示する。銘仙は桐生の繊維産業が発展した大正から昭和にかけて、年間百万反も産み出されたほど。技術や価格、はお召しのぼうが上だが、銘仙は大正デモクラシーの開放された時代のなかで、老若を間わず女性たちに受け入れられ、自由でざん新なデザインをオシャレ着として、晴れ着として楽しみあらそった。「銘仙こそ日本最初のファッション」ともいわれ、流行の先端を担った桐生産地の先見性、デザイン力、販売機構などを再認識することができよう。
東久方町二丁目のノコギリ屋根工場を転用した「オリジン」は、元掛井五郎アトリエ。現在はヤマザキミノリさん(造形作家)の創造拠点となっている。
今回は「桐生市市民文化会館アートワークコーディネートについて」として、文化会館の内外に設置された十三作品のメーキングビデオとパネル、写真資料約二百点を展示。ヤマザキさんがコーディネートを自己検証するとともに、公共施設と現代美術の関係性にいて考える。
また新宿NSビルの巨大な吹き抜け空間に、三年間にわたって展開した桐生テキスタイルによるクリスマスディスプレーについて、プランニング、模型、パネル、写真、ビデオで振り返る。工房の現場性を体験できるまたとない機会になりそうで、七日午後三時からはヤマザキさんが展示解説を行うことになっている。 |